ナガシマ教育研究所には、日々たくさんの保護者の方が相談に訪れます。
「勉強が続かない」「宿題をやらない」「やる気が見えない」…そんな悩みは、実はどこのご家庭でも共通しています。
しかし、私たちは入塾面談の場で、いつもまず最初にこうお伝えしています。
「ナガシマは、勉強を強制する塾ではありません」
「勉強をさせる場所ではなく、勉強したくなる自分を育てる場所です」
このスタンスは、一般的な学習塾とは少し違って見えるかもしれません。
けれども、子どもたちの成長を長年見てきた経験から、確信を持って言えることがあります。
“強制で動く子は伸びない。
自分の意思で動いたとき、子どもは急に伸び始める。”
そのため、ナガシマでは「自立した学び」と「幸せに生きる力」を軸に、家庭と塾が一つのチームとなって子どもを支える体制を整えています。
この記事では、入塾面談でお伝えしている内容を、初めて読む方にもわかりやすく丁寧に解説します。
1.ご家庭と一体となって目指すもの
ナガシマ教育研究所が子どもたちといっしょに目指す姿は、テストの点数や偏差値ではありません。
もちろん、学力が伸びることはとても大切です。
しかし、私たちが最も重視しているのは、子どもが「幸せに生きていく力」を身につけることです。
具体的には、以下のような力を育てることを目指します。
- 学びの楽しさを知り、知的好奇心を育てる
→「知りたい・やってみたい!」が自発的な学びの原動力になる - 自分で決めて、自分で学ぶスタイルをつくる
→「やらされる勉強」から卒業し、自己決定の力を育てる - 社会に関心をもち、貢献したいという気持ちを育てる
→「自分ごと」として行動できる人間になる - 好きなこと・得意なことを知り、伸ばす
→その子らしい未来の選択肢が広がる - 頭の使い方、勉強のやり方を身につける
→効率的に吸収でき、伸びるスピードが格段に上がる - 自分を表現し、人に伝える力をつける
→これからの時代に必須のスキル
これらはすべて、点数以上の価値を持つ「人生を自分で切り拓く力」です。
ナガシマは、この力を家庭といっしょに育てたいと考えています。
2.ナガシマでやること― “自分で学ぶ子”を育てるための仕掛け ―
ナガシマでは、子どもが自分で動き始めるまでのサポートをとても大切にしています。そのため、学習指導のスタイルも一般的な塾とは異なります。
ここでは、ナガシマが意図的に取り入れている取り組みをご紹介します。
① 勉強する内容を「自分で決める」
これはナガシマの根幹です。
・今日は何の教科をやるか
・どのテキストを進めるか
・宿題をどこまでにするか
すべて子ども自身が決めます。
もちろん、決めるためのサポートは丁寧に行います。
「決めてもらう」のではなく、
“自分で決められるようになる支援”
が重要だと考えているからです。
② 宿題も自分で決める
宿題は「強制されるもの」ではなく、
“自分で決めた約束” に変わると、守ろうという気持ちが生まれます。
もしできなかったときも叱りません。
「どうすればできるようになる?」を一緒に考え、改善策を探していきます。
これが「自己調整力」を育て、やがて自立した学習へとつながります。
③ 学習指導=コーチングの時間
ナガシマでは、教師が一方向に教えるのではなく、
問いかけや気づきを通したコーチング型 で関わります。
「どうしてそう思ったの?」
「次はどうする?」
「できているところはどこ?」
こうした対話が、子ども自身の思考を整理し、自信を育てます。
④ 能力に合ったテキスト選び
全員が同じ教材を使うことはありません。
理解の段階は一人ひとり違うため、レベルも進度も柔軟に変えます。
成功体験を積み重ねるための教材選びは、ナガシマの重要な仕事です。
⑤ テストや模試は本人の意思で参加
強制参加は一切しません。
「受けたい」と思ったときに受けるからこそ、結果に向き合う姿勢が育ちます。
⑥ 時事問題を扱ったアクティブラーニング
ナガシマでは、社会に興味を持つ入口として、
「ニュースの読み方」「時事問題の背景」を扱う機会を多くつくっています。
社会に関心をもち、
「自分も社会の一員である」と考えられるようになるための取り組みです。
⑦ 人間的な成長に注目する
点数や偏差値よりも、
“過去の自分と比べてどう成長したか”
を大切にしています。
- 姿勢が良くなった
- 諦めにくくなった
- 話す力がついた
- 表情が明るくなった
こうした成長は、点数よりも価値があります。
3.ナガシマであえてやらないこと― “強制しない教育” の徹底には、明確な理由がある ―
ナガシマ教育研究所の特徴のひとつは、
「やること」だけでなく、「あえてやらないこと」も明確に決めている
という点です。
一見すると「普通の塾なら当たり前にやること」を、ナガシマでは意図的に採用しない場面が多くあります。
それは、子どもたちの成長を長年見てきたなかで、
“強制は一時的な成果は生むが、長期的には子どもの学ぶ力を奪う”
という真実を、身をもって知っているからです。
ここでは、ナガシマがなぜその方法を取らないのか、その背景まで含めて丁寧に解説します。
① 勉強内容を一律で強制しない
一般的な塾では、学年ごとに同じ教材・同じ進度で進みます。
これは管理する側にとっては効率的ですが、子どもにとってはまったく別の話です。
- 得意な子は簡単すぎて退屈し、
- 苦手な子はつまずいて自信を失い、
- どちらでもない子は「ただこなすだけ」になる。
つまり一律の進度は、
“できる子だけが気持ちよく伸びる仕組み”
になりやすいのです。
ナガシマでは、子どもの発達段階や理解度を丁寧に観察し、
その子の「ちょうど伸びるポイント」
に合わせて学習内容を決めていきます。
それが、その子にとっての「最速の伸び方」
につながることを、私たちは何度も見てきました。
② 意思に反した宿題は出さない
宿題は、やらされるものではなく、
「自分で決める約束」
であるべきだとナガシマは考えています。
子ども自身が決めていない宿題は、以下のような結果を招きます。
- やらされている感が強くなる
- やる気が起きない
- 親に叱られるためにやる
- 失敗が「怒られる理由」になる
これでは、学ぶことそのものが嫌いになってしまいます。
逆に、自分で宿題内容を決めると、
- 「自分で決めたんだからやってみよう」という責任感
- 「できた!」という達成感
- 自分で調整する力(自己調整力)
が自然に育っていきます。
そしてもしできなかったとしても、
叱るのではなく、
“どうすればできるようになる?”
をいっしょに考えます。
この姿勢が、子どもの「逃げない心」を育てるのです。
③ 一斉授業をしない
教師が前に立って話し、生徒が静かに聞くスタイルは、
時間あたりの情報量は高いものの、
“受け身の学び”になりがちです。
ナガシマが目指しているのは、
「子どもが自分で学び、自分で考える力」 を育てること。
そのために一斉授業ではなく、
コーチングを中心とした対話型の指導 を採用しています。
子どもが自分で問題を選び、
自分で進め、
わからない部分だけサポートを受ける。
このスタイルは、最初は効率が悪いように見えます。
しかし実は、
「自分で問題を解く力」
「自分で学習する力」
が身につくため、長期的には圧倒的な伸びにつながります。
“与えられた学び”から
“自分でつくる学び”へ。
これがナガシマの教育の本質です。
④ テストは強制しない
テストは「受けさせられるもの」ではなく、
「自分が今どこにいるかを知るためのツール」
であるべきです。
では、強制するとどうなるでしょうか?
- 準備をしてもしていなくても“逃げられない”
- 本人の意思と関係なく、結果だけが評価される
- 「テスト=不安」「テスト=怒られるイメージ」が定着する
結果、テストそのものが嫌いになり、
テスト勉強にも身が入りません。
一方、自分の意思で受けるテストは、
- 今の自分を知るために受ける
- 結果に責任を持とうとする
- 振り返りが主体的になる
- 成長を実感しやすい
というプラスの循環を生みます。
テストは“意欲の指標”。
受けたがる時期こそ、成長のチャンスなのです。
⑤ 周りとの比較をしない
ナガシマは、
「周囲との比較ではなく、過去の自分との比較」
を大切にしています。
「○○ちゃんはもうできてるよ」
「クラスの平均より下だよ」
そんな言葉は、子どもの心に大きなダメージを残します。
周りと比べる学びは、
“勝ち負け” の世界を生みます。
そして、多くの子どもは負け側に立ち、自己肯定感を下げてしまいます。
しかし、過去の自分と比べると、評価の軸は一気に変わります。
- 昨日より集中できた
- 先週より丁寧に書けた
- 前回より粘れた
- 今回は少しだけ勇気が出せた
こうした小さな成長が、子どもの心に積み重なり、
やがて大きな自己肯定感になります。
「誰かに勝つため」ではなく
「昨日の自分より成長するため」に勉強する。
この姿勢を身につけた子は、一生伸び続けます。
まとめ
ナガシマ教育研究所の “あえてやらないこと” は、どれもシンプルです。
しかし、その裏にある哲学は非常に深く、共通しているのは次の一点です。
「強制は短期的な成果、主体性は一生の財産」
私たちが大切にしているのは、
“目の前のテストの点数”よりも“未来のその子の人生”。
だからこそ、
・管理しない
・強制しない
・比較しない
というスタンスを徹底しています。
子どもが自分で立ち上がり、
自分の意思で学び続けられるようになること。
その力を育てるために、今日も「ナガシマがやること」「ナガシマがあえてやらないこと」を大切にしています。
ナガシマ教育研究所

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