子どもの家庭学習について、保護者の皆さまから本当に多くのご相談をいただきます。
「教えたほうがいい?」「つい怒ってしまう」「やる気が出ていないときの声かけは?」…。
どの家庭にも共通する悩みばかりです。
しかし、これらの悩みの根っこには、実は “家庭学習=テストの点数を上げる時間” という固定観念があります。
ナガシマ教育研究所が目指しているのは、その枠を大きく超えた家庭学習です。
それは、「子ども一人ひとりが、自分の人生を幸せに生きる力を育てるための学び」という視点です。
なぜ「幸せ」を目指すのか―幸福学が示す、教育の本質―
近年、心理学・脳科学・行動経済学などの分野で「幸福学」が発展しています。
その研究で明らかになってきたのは、次のような現実です。
- 科学技術の進歩やモノの豊かさは、必ずしも幸福に直結しない
- 学歴や高収入があっても、幸福度が高いとは限らない
- 人は「本当は幸せに影響しないもの」を過大に評価してしまう(=フォーカシングイリュージョン)
つまり、テストの点数や偏差値だけを追い求めても、幸せな人生にはつながりにくいということです。
幸福学の研究では、幸せには次のような因子が重要だと語られています。
- PERMA(ポジティブ感情、没頭、人間関係、意味、達成)
- 楽観性、レジリエンス(回復力)
- 人生の満足度
これらはいずれも、「子どもの主体性」「心の健康」「人とのつながり」に強く影響されます。
そして、家庭での関わり方が、大きな役割を果たします。
家庭学習は「親子関係」という土台の上に育つ
ナガシマ教育研究所が大切にしているのは、家庭学習を “親が管理する時間” にしないことです。
親が管理しすぎると、子どもは学ぶことを「義務」だと感じ、やる気を失ってしまいます。
家庭学習で最優先すべきは、
「丈夫で健康な心と体」
です。
睡眠、食事、安心できる環境は、どれだけ強調してもしすぎることはありません。
生活リズムが整うと、集中力・情緒の安定・粘り強さが自然と育っていきます。
家庭では、「机に座ること」よりも「机に座れる心と体をつくること」のほうがずっと大切なのです。
よくある悩み&幸福学に基づいたアドバイス
以下では、保護者の方がよく抱える疑問を、幸福学の観点から丁寧に見ていきます。
①家で親が勉強を教えたほうがいい?
結論から言えば、親が教えることは強制ではありません。
親子だとどうしても感情的になりやすく、
「なんで分からないの?」
「ちゃんと見てる?」
とイライラしてしまいがちです。
そのため、ナガシマ教育研究所では、
・感情的になりやすい場合は教えないほうがいい
・問題が難しければサポートはOK
というスタンスを提案しています。
教えることよりも、
「いっしょに考える姿勢」
のほうが、子どもは安心して学べます。
②自分から勉強するようになるには?
鍵になるのは、
“自己決定の機会を増やすこと” です。
- どこで勉強する?
- どれから始める?
- 今日は何分やる?
たったこれだけでも、子どもの主体性は大きく変わります。
そして、もう1つ大切なのが、
「心と体が元気であること」。
体調が悪かったり、睡眠不足だったりすると、
子どもは絶対に自分から動けません。
③親が勉強を教えると喧嘩になる
これは、ほぼ全家庭に共通する悩みです。
親はつい“教える役”になりがちですが、喧嘩を避けるには、
「聞き役」
「教わる役」
に徹するのが効果的です。
子どもに説明してもらうことで、理解が深まりますし、主体性も育ちます。
喧嘩するのは“異常”ではなく、
親子という近さゆえに自然に起きるもの
だと知っておくだけでも、気持ちが軽くなります。
④わからないと、すぐ諦めてしまう
「あなたならできるよ」「信じてるよ」と伝えることが大切です。
逆に、失敗する前に手取り足取り教えすぎると逆効果になります。
粘り強さ(=グリット)は、「失敗しながらも挑戦する経験」からしか育ちません。
親が先回りしてしまうと、子どもは「失敗しないための努力」ばかり考え、挑戦できなくなります。
⑤間違えた問題を解き直さないときはどうすれば?
間違いに向き合う力は、急には育ちません。
無理やり解き直させるのではなく、
・最初は小さな解き直し
・褒めながら続ける
・短時間でOK
から進めることで、自然と習慣になります。
⑥やる気が出ていないときの声かけはどうすれば?
やる気が見えないと、つい焦って
「もう、中学受験やめたら?」「やる気ないなら塾に行くお金出さないよ」
とプレッシャーをかけてしまう家庭が多くあります。
しかし、まずやるべきは「本人の事情を聞くこと」。
学校で何があったのか、体調はどうか、友達との関係は?
やる気が出ない背景には、必ず理由があります。
⑦暗記が苦手なわが子はどうすればいい?
漢字や社会の語句が覚えられない——これはよくある悩みです。
大切なのは、
“子ども自身の暗記法を一緒に見つけること” です。
- 口に出す
- 書く
- 図にする
- 語呂合わせを考える
- 色ペンを使う
どれも立派な学び方です。
子どもが「自分に合う方法」を見つけたとき、暗記は一気に進みます。
⑧勉強する場所はリビングがいい?
結論:心地よければどこでもOK。
リビングでも自室でもベランダでも、図書館でも、集中できるなら正解です。
親が監視するためにリビングでさせるのは逆効果です。
「信じてもらえている」という感覚が、自立の原動力になります。
⑨スケジュール管理ができない子どもはどうしたら?
最初から子ども1人に任せる必要はありません。
- 学校の準備
- 提出物の管理
- 習い事の持ち物
これらは、家庭の生活の中で、少しずついっしょにやっていけば自然に身につきます。
多いに失敗させ、対策をいっしょに考えてみましょう。
“幸せに生きる力”は、家庭の中で育まれる
ナガシマ教育研究所が伝えたいのは、ただ1つ。
家庭学習とは、子どもの幸せな人生のための土台づくり
だということです。
- 自分で考える力
- 失敗しても立ち上がる力
- 支えてくれる人がいるという安心感
- 自分なりの学び方を選ぶ力
これらすべてが「幸せに生きる力」です。
家庭は、子どもにとって最初の社会であり、もっとも安心できる場所。
その家庭の中で、子どもが「自分って大丈夫」と思える経験を積んでいけば、勉強だけでなく、生きる力そのものが伸びていきます。
ナガシマ教育研究所

横浜市の学習塾・学童保育です。3教室を展開しています。
「学びを通して子どもたちの幸せに貢献する」を理念としています。
中学受験、高校受験、大学受験に対応しています。
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